客先常駐で働くデメリットとは?
IT業界の労働形態として自社ではなく協力会社に出向する客先常駐。
客先常駐のメリットとは?では客先常駐のメリットを書きましたが、当然客先常駐にはデメリットも存在しますのでこのページでは客先常駐のデメリットについて記載していきます。
先に要点だけを伝えておくと客先常駐で働くという事は20代のような若い内であれば色んな現場が経験出来て良いのですが30代や40代まで働き続ける事は難しくてオススメ出来ない事です。理由についてはこのページで後述しています。
尚、客先常駐って何?という方は以下のリンクの記事で詳細を解説しておりますので、客先常駐の具体的な意味を知りたい方は以下をチェックしてみてください。
目次
客先常駐のデメリット
勤務地がコロコロ変わってしまう
まず客先常駐のデメリットの一つは勤務地がコロコロと変わってしまう事です。
仕事をするのは自社ではなく客先になりますので出向する会社によって勤務地が変わってしまうことになります。そのため、通勤時間が自社なら30分ぐらいで出社できるけど客先だと1時間以上かかるといったような事にもなりがちです。
もし、場合によっては県外のような遠隔地に出向する形になってしまうこともありえます。とにかく働く場所が安定しないというのが客先常駐のデメリットの一つです。
現場が変わる度に求められる技術が異なる
客先常駐は3か月~数年のスパンで働く現場が変わります。
そのため、現場が変わってしまうと新しい現場では当然求められるスキルが異なりますので、もし新しい現場で求められているスキルセットが無い場合は自主的に学習する必要も出てくるようになります。
つまり客先が変わる度に新しい事を覚えなければいけないということになります。
しかし、これはデメリットでもありメリットでもあります。客先が変わる度に新しい技術が習得できると考えれば色んな技術を付ける事が出来るのはメリットであると言えますね。
現場が変わる度に人間関係がリセットされる
客先常駐は働く現場が変わりますので当然現場が変われば人間関係がリセットされ新たな現場で人間関係を構築しないといけません。
もし、前の現場でどんなに仲が良かった仲間が居てもプロジェクトが終わればさよならをすることになりますし、新しい現場で人間関係に恵まれるかどうか?もある程度運になります。
ただし、こちらもデメリットでもありメリットでもあります、もし、現場にどんなに嫌な人でも数ヶ月我慢すればさよならが出来ますし、色んな人と出会う事で人脈も広がっていきます。
自社への愛着、帰属意識が生まれない
客先常駐は自社ではなく客先で作業をすることになりますので、自社に対する帰属意識や愛社精神というものが希薄になりがちです。
客先常駐の仕事を行っていると自社とはほとんど関わり合いになりません。メールで月に1回だけ作業報告書を送付しているだけとか交通費の清算だけを行っているという方も多いと思います。
自社の人間も顔を知らないような人も多く、客先と自社、どちらが本当の自社か分からなくなってくるようになります。
有給休暇を消化する際に自社と客先の両方の承認が必要
客先常駐で勤務している場合は有給休暇を取得する場合、自社と客先の両方の承認を得なければいけません。
有給休暇の取得は労働者の当然の権利ではありますが、客先に常駐していると契約の関係でなかなか取得が出来ない、取得し辛いという事もありますし、また、自社と客先の両方にお伺いを立てないといけないのも何かと面倒です。
それに仮に「インフルエンザ」などの病気にかかったりするなどで、数日程度休まなければいけない状態になった場合に仕事の穴をあける事になりますので、客先から責任を追及される事もあります。
ちなみに当記事を書いている筆者は客先常駐時に客先の社員からインフルエンザにかかった時に「インフルエンザで休むのは仕方が無い事かもしれないけど、これはビジネスでお金を払っているんだから休んだ分の仕事はどこかでやってもらわないと困る」と責任追及されたことがあります。
確かに客先の社員の方が仰る事は正論なのですが、私はその言葉を言われた時に客先常駐の人間はオチオチ怪我や病気になることも許されないのか?と軽く絶望したことがあります。
技術者としてなかなか成長出来ない
さて、ここから客先常駐の大きなデメリットになりますが、客先常駐はIT技術者としてなかなか成長出来ない事が大きなデメリットであると言えます。
何故なら客先常駐の仕事で回ってくる仕事は大抵の場合下流工程だからです。ただ、上流の人間が意思決定した内容を言われた通りにそのまま作るといった場合が多いです。
どんなシステムを作るのか?どんな言語を使うのか?どんなフレームワークを使うのか?開発はどのように進めて行くのか?スケジュールはどのように進行するのか?といった上流工程は客先の社員の仕事になり、常駐の人間には上流の仕事は回ってきません。既にやるべき事は決まっていて客先常駐の人間は既に決まったものを作るといった流れになりがちです。
プログラムを実装するにしても既に多くの出来上がったプログラムがありますのでそれを参考にしてコピペして「つぎはぎ」するだけで作れてしまう事も多いため、プログラミングとして求められるスキルもそれほど難しいものではなかったりします。
要はコピペプログラマーでも何とかなるマンパワーが必要な作業量が必要な仕事ばかりをこなすことになりがちなので作業者としては一人前だとしても技術者として一人前になかなかなれないんですね。コピペを駆使したコーディングの仕事やテストばかりやっていても技術者としての価値は上がっていきません。
また、もう一つ客先常駐の人間は最終的な成果物に対する責任を取らなくてもいいので、仕事に対する責任感も生まれにくいと言うのも技術者として一人前になれない原因です。
実際に契約期間が過ぎれば責任が追及されない事からいわゆる「作り逃げ」をする人も多いです。
出世や昇進が難しい
客先常駐は社外に出て働く事になりますので、仕事を評価すべき上司の存在がありません。
そのため、出世や昇進が非常にし辛く、自社開発をしている人間に比べてどうしても出世や昇進が遅れがちになってしまいます。
以上の事から、客先常駐でどんなに頑張って働いていても評価されず、優先的に自社勤務の人間に役職が与えられるのは良くある事です。
30代後半から客先の受け入れ先がなくなる可能性が高い
そして客先常駐の最大のデメリットは年齢の増加に従って客先の受け入れがキツくなってくることです。
年齢が増加すると単価も上がってきます。20代の若い内は直ぐに常駐先が見つかっても30歳後半にもなると受け入れ先がありません。
30歳後半の知らない単価が高いだけのおじさんを喜んで受け入れてくれる所はほとんどありません。
そのため、客先常駐は40歳以降も安定して勤められる可能性はかなり低いと思った方が良いと言えます。
> 客先常駐が不安定な理由!35歳以降に受け入れ先が激減する
最終的に使い捨てにされてしまう可能性が高い
以上のように客先常駐は30歳後半にもなってくるといよいよ常駐の受け入れ先がなくなってきます。
つまり仕事がなくなるということです。
客先常駐の人間は正社員で雇われていますので常駐先が見つからなくても自社待機で最低限の賃金は発生しますが、いつまでも受け入れ先が無く利益の出せない人間を雇い続ける余裕は会社にはありません。
もし、派遣元の会社で自社開発や受託開発のような自社で開発の仕事が出来るような会社であれば自社開発や受託開発の仕事にシフトしていくことが可能ですが、もし会社のメインが客先常駐がメインだったり、自社開発や受託開発を行っていたとしても規模が小さい会社であれば望みは薄いと言えるでしょう。
結果として最終的に受け入れ先がなくなった場合に会社から解雇されてしまう可能性が高いです。
まとめ
以上が客先常駐のデメリットであると言えます。
客先常駐の一番の問題は30歳後半になるとほとんど受け入れ先がなくなってしまう事だと思います。
現場は変わると新しい現場では常に新人です。新人は若い内なら問題ありませんが30代、40代の新人は扱い辛いです。
客先の人間は若くて安くて扱いやすくて人材を欲しがりますので、高くて扱いにくい高齢の人材はどうしても敬遠されてしまうわけなんですね。
客先常駐の最大の問題は正社員とは名ばかりの派遣であることです。派遣に身を置いている内は不安定であるのは必然と言えます。
客先常駐は若い内は常駐先がありますが、高齢になればなるほど仕事が無くなっていきますので、自社で開発を行っていないような会社であれば、スキルを身に付けたらちゃんとした正社員として雇って貰える所に早めにシフトしていく事が大事と言えます。

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