客先常駐ITエンジニアの現状問題の認識と脱出方法の提案

メモをとる女性

客先常駐ITエンジニアの現状問題の認識をしてみましょう!

既にご存知の方も多いと思いますが、日本の中小IT企業のほとんどは客先常駐(特定派遣、偽装請負)という派遣事業で成り立っています。

そのため、新卒や中途採用でIT企業に入社する事に成功をしたけれど、基本自社に居る事は無く他の会社で作業をしているという方がほとんどであると言えるでしょう。

ですが、実際に派遣されている方の多くは一体この派遣事業の何が問題であるか?を正しく理解している方は非常に少ないか、問題意識は持っているが日々の仕事が忙しくて何も行動に移せていないという方がほとんどだと思います。

そのため、当記事では客先常駐員として現場で働くITエンジニアの方のために、客先常駐という働き方には一体どのような問題があるのか?を詳しく解説していきます。

中小IT企業の現状を認識する

客先常駐の問題を理解するためにはまず中小IT企業の現状を正しく理解する事が大事になってきます。

今、現状の中小IT企業にはどのような事が起こっているのか?をきちんと理解していきましょう。

 

元請の会社が仕事のほとんどを受注する

スーツを着たビジネスマンの握手

まず、ご存知の方も多いと思いますが日本のIT企業の業界構造は建設業界と同じのゼネコン方式です。

そのため、仕事の受注はIBM,富士通、NEC、日立のような大手のIT企業がほとんどを総取りするという現状です。

中小ITはそもそも知名度や信用が無さすぎてどこからも仕事を直接依頼される事がありません。

従って中小IT企業は直接の受注をすることは出来ず、大手のIT企業が受注した仕事の一部を手伝うといった構図になっています。

 

中小IT企業は元請になれないため、派遣するしかない

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以上の事から中小IT企業のほとんどはエンドユーザーから仕事を直接受注(元請)する事は出来ません。

そのため、中小IT企業に入社をしてしまうと自社には仕事がありませんから基本派遣されるという選択肢がほとんどになります。

もちろん派遣せずに受託開発を行う会社もありますが、受託開発はリスクが高い事から派遣をされてしまう場合がほとんどです。

そのため基本的には中小ITに入社をしてしまうと人身売買で他社に売られていきます。

会社によっては仲介業者(ピンハネ)が多数介入し4次請けや5次請けになってしまうと会社はほとんど利益を得る事が出来ません。

そのため、長時間労働でひたすらしんどい思いをする割に給料が安く、残業代もロクに付かないという事もIT業界では良くある事と言えます。

 

派遣先では無茶な納期や大手IT会社の都合に振り回される

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そして派遣先では無茶な納期に振り回される事が多いです。

何故なら、大手IT企業とエンドユーザー間で仕様が固まらずにスケジュールが遅れているケースが非常に多いからです。

ですが、大手IT企業とエンドユーザー間で交わした納期は変えられないため、必然的に派遣の担当である下流工程の開発の仕事のスケジュールが圧迫されるんですね。

当初は3か月のスケジュールだったのに2ヵ月、1.5ヵ月と短納期にされてしまう事も珍しい事ではありません。

そのため、無理な納期で深夜までプログラム作業及び検証に追いやら れてしまい、肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、体を壊す人、欝病になる人、失踪する人が非常に多いです。

ネットで中小ITは奴隷と称される事も多いですが、その原因の多くは大手IT企業の無茶な納期に振り回されてしまう事が原因と言えます。

もし、会社が超忙しいという事は大手IT企業の短納期のスケジュールに振りまわされている事が大きな原因かもしれません。

 

派遣には年齢制限があり使い捨てされる可能性が高い

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以上のように中小ITは他社に派遣をされ、更に派遣先でもコキ使われてヘトヘトになってしまうのですが、更なる問題があるんです。

それは派遣には実質の年齢制限というものが存在するのです。

先述しましたが中小ITは元請になることが出来ないため、基本的に大手IT会社に派遣をする形で仕事を分けて貰う事で成り立っています。

しかし、その派遣先の若手のプロジェクトマネージャーは年上の技術者を敬遠する傾向にあるからです。歳を取った派遣エンジニアは単価も高く、扱いにくいため嫌がられてしまうからですね。

そのため、実質派遣の仕事は35歳を過ぎてからは厳しくなり40歳になるとほとんど派遣先が見つからないといった事になってしまいます。

もし、そうなってしまえば利益を出せない会社はお荷物とばかりに中小ITに退職勧告をされるという流れになってしまうんです。要するに売れなくなったから使い捨てというわけです。

中小ITの多くは派遣をするしか出来ないのですから必然的にそうなってしまうわけですね。

 

オフショア開発などの単価の安い

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更に中小ITはオフショア開発という新しい流れの影響をモロに受けてしまいます。

オフショア開発とは簡単に言うと開発の仕事を中国やインド、ベトナムといった単価の安い国に任せる事で大手IT企業をはじめとして取り組み始めています。

特に中国やインドやベトナムなどの国は勤勉な技術者も多く単価も安いとあっては中小ITは適いません。日本は人件費の高い国ですからね。

そもそも大手IT企業からしてみれば開発をしてくれるなら安いに越したことはないわけです。

単価の高い中小ITに依頼をしなくても、もっと単価の安い国に依頼すれば安く済ませる事が出来るのです。

つまりこれからの中小ITは更に仕事が無くなるという事が予想されます。ダンピング(価格競争)で更に苦しい境地に追い込まれてしまう事になるでしょう。

派遣される本人の商品寿命も短くなってしまう事も当然と言えますね。

 

中小IT企業の客先常駐社員が生き残るためには?

以上の事からIT業界は・・・。

  • 大手IT企業のほとんどがエンドユーザーから仕事を受注する
  • 中小IT企業は大手IT企業経由の派遣等で仕事を受けるしかない
  • 結果、大手IT企業の無茶なスケジュールに巻き込まれやすい
  • 更に派遣は年齢が増えると敬遠され、派遣元会社から居場所が消える
  • 最近は海外との競争も激化している

といった現状があります。

自社製品(自社パッケージ)や自社サービスを持たず、派遣をする事でしか利益をあげる事が出来ないIT派遣企業はこれからどんどん厳しくなっていくと言えるでしょう。

では、この現状を前にして現役のITの派遣技術者はどう生き残っていけばいいのでしょうか?

 

IT業界の悪しき構造からの脱却をはかる

逃げ惑う人々

それは、やはりIT業界の悪しき構造からの脱却をはかることだと思います。

大手IT企業が元締めになり中小ITの会社の社員をコキ使い、中小ITは使えなくなったら技術者を使い捨てるという構図は昔から変わっていません。

しかし、この構造を個人の力だけで変えていくことは、アリが象に立ち向かうようなもので勝ち目などありません。

従って、なるべくやり直しが効く内に自らのキャリアを見つめ直す事が大事です。では、このIT業界の構造から脱却するためにはどうすればいいのでしょうか?

 

元請の会社を目指す

人差し指を立てるビジネスマン

まず一つ目の案は元請の会社への転職を目指す事です。

つまりIT業界のピラミッドのてっぺんの会社にキャリアチェンジしてしまうことですね。

実際に客先常駐の派遣会社に勤めている方の中には派遣プロジェクトを通じて実績やキャリアを積んで元請の会社にキャリアアップをするという方は本当に多いです。

自分の10年後20年後を見据えたキャリアプランと言えるでしょう。

 

自社製品(自社パッケージ)や自社サービスを持つ会社に転職する

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続いて2つ目の案は自社製品(自社パッケージ)や自社サービスのような自社の強みを持つ会社に転職する事もおすすめです。

このような自社製品の強みを持つ会社は派遣業務を行っていないような所も多いですし、そのような会社に転職成功する事が出来ればIT業界のゼネコン構造から脱出する事が可能です。

派遣ではなく自社で作業をすることが出来ますし、実際に自社開発(自社パッケージ)や自社サービスのような会社に転職する事で大手IT業界にコキ使われる生活から人間らしい生活に戻れたり、給料がアップしたという声も本当に多いです。

 

社内SEとして活躍する

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続いて3つ目の案は社内SEの転職をしてしまうことです。

社内SEはシステムの開発業務ではなく企業の業務を円滑にすすめるためのサポート業務です。

基本は社内で活躍する仕事のため派遣される可能性はありません。

社内SEは開発や派遣業務に嫌気が差したエンジニアの転職として絶大な人気を誇っています。

 

キャリアを活かした異業種転職も有効な選択肢

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最後の4つ目の提案は今までの既存のキャリアを活かして異業種転職を目指す事です。

異業種と聞くと工場やタクシー運転手、介護職のような今までのキャリアが全く生かせないような業種を想像する方も多いと思いますが、そのようなキャリアが活かせない転職ではなくきちんとキャリアが活かせる転職を志します。

具体的には「データアナリスト」や「マーケティングリサーチャー」「ベンダーコントロール」が該当します。

詳しくは以下の記事で詳しく解説していますのでチェックしてみてください。

> プログラマやSEの経験やスキルが活かせる職種とは?

 

中小IT企業の派遣社員以外にも様々な道がある

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以上のように現役の中小ITの派遣エンジニアの方でも様々な道があります。

もちろん、転職をする事が最善の結果を生むとは限りませんが色んな選択肢がある事は覚えておいても良いと言えます。

何より派遣エンジニアというのは先ほども述べた通り・・・。

  • 大手IT企業のほとんどがエンドユーザーから仕事を受注する
  • 中小IT企業は大手IT企業経由の派遣等で仕事を受けるしかない
  • 結果、大手IT企業の無茶なスケジュールに巻き込まれやすい
  • 更に派遣は年齢が増えると敬遠され、派遣元会社から居場所が消える
  • 最近は海外との競争も激化している

と、言った大きなリスクを抱えている事は注意した方が良いでしょう。

なるべく早めにキャリアプランを考えておかないと手遅れになってしまう可能性もあります。

 

キャリアコンサルを受けてみる事もおすすめ

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もし、現状に悩まれているのであれば転職エージェントのキャリアコンサルを受けて見る事をおすすめします。

現在置かれている現状や不安があればキャリア相談をしてみてキャリアコンサルからの客観的な意見を参考にするというのも大事です。

同僚や上司に相談するのはあまり好ましい方法とは言えませんし、IT業界を知らない方に相談しても業界構造を理解していませんので、的確なアドバイスを受ける事は難しいと言えるでしょう。

しかし、キャリアコンサルであればより的確な視点でアドバイスを受ける事が可能です。

それにキャリアコンサルは無料で受ける事が可能ですし、IT業界専門の転職エージェントであれば現場に詳しいコンサルティングも多いので相談してみる価値はありです。転職エージェントに相談しても必ず転職しなければならないという事もありません。

それならば早めに将来を見据えてキャリアプランを考えてみるのも大事ではないでしょうか?

以下の転職エージェントを利用するメリットとおすすめの転職エージェントをご紹介しておりますので興味のある方はチェックしてみてください。

> 転職エージェントのメリットとは?

> IT業界の転職エージェントをチェックする

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