何故?日本のIT企業は派遣会社ばかりになるのか?
日本のIT企業のほとんどは特定派遣や偽装請負といったいわゆる「派遣」で成り立っています。
そのため、ほとんどのIT技術者は実質、派遣労働者として色んな会社の現場を回るという方法で働いている方が多いでしょう。
では、何故?IT企業はこれほどまでに派遣会社ばかりになるのでしょうか?
目次
派遣以外の方法は会社にとってリスクがあるから
それは派遣以外の方法は会社にとってリスクが大きいからです。
もし、派遣以外の方法で収益をあげる方法は「受託開発」のような直接大手IT企業から制作を受注する方法だったり「やよいの青色申告」のような「自社製品(自社パッケージ)」や「パズル&ドラゴンズ」のような「自社サービス」のように独自ブランドを作る事が代表的です。
しかし、「受託開発」や「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」を作るには会社にとってリスクが大きいのです。
受託開発のリスク
では「受託開発」にはどのようなリスクがあるのか?と言うと見積もりをミスったり仕事が予定通りに終わらなかった場合に赤字のリスクがあるからです。
例えば3人月で終わる仕事があったとすれば1人が作業をしスケジュール通りに3ヵ月で終わらせられれば会社の利益となりますし、もっと早く終わらせる事が出来れば更に会社の利益となるので問題はありません。
しかし、3人月で終わる仕事が倍の時間がかかってしまい6人月かかってしまうと会社は人件費などで大きな損失を出してしまうということになりますのでいかに正しく見積もり作業が出来るかどうか?がカギになります。
そう考えると「受託開発」は正しく作業を見積もって適切なスケジュールで作業をすれば問題は無いと言えます。
ですが、ITの仕事はご存知の通りなかなか予定通りに行く事は難しいです。受注元の会社の仕様書や設計書がメチャクチャで仕事がロクに進まなかったり、途中で仕様が変わって大幅に作業が増えてしまうという事は良くある光景です。
しかも「受託開発」を行う会社は受注先の会社より立場が低い事も多く、仮に追加の修正などが入ったり、仕様変更で作業に大幅な手戻りが発生したとしても追加料金を請求できないといった事も多いです。
もし、プロジェクトが炎上してしまえば、それこそ工数も非常に大きく膨らんでしまいますので会社は大赤字を出してしまうというリスクが「受託開発」にはあるというわけです。
これが日本のIT企業で受託開発が少ない理由になります。
自社製品(自社パッケージ)、自社サービスのリスク
では続いて「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」のリスクを解説していきますがこれらのリスクは単純に作っても売れるかどうか分からないからです。
例えば日本のソーシャルゲームで考えて貰うと分かりやすいですが「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」といった数千万人規模でダウンロードされた大成功のソーシャルゲームであれば何千億という莫大な売上を出す事が出来ます。
しかし、逆にその陰で作っても全くヒットしなくて全然儲からないというゲームは星の数ほど存在しています。
つまり、「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」は仮に作成しても売れるかどうか?は分からない上に自社製品(自社パッケージ)や自社サービスを作るためには何百万、何千万という費用が必要になるわけですね。
そのため、大金を投じて「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」としても売れるかどうかは分からないし、失敗すれば何百万、何千万円単位で会社が損失を出してしまうことになるというリスクがあるわけです。
派遣業は人を派遣さえすれば確実に利益は出る
以上のように「受託開発」や「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」には会社にとってリスクが大きいです。
しかし、特定派遣や偽装請負といったいわゆる「派遣」は「受託開発」や「自社製品(自社パッケージ)」や「自社サービス」と比較してリスクが非常に少ないのです。
何故なら、「派遣」は理由はどうであれ社内の人間を「派遣」すれば100%利益が出るからです。
派遣先のプロジェクトが炎上しようが、製品が売れようが売れまいが派遣元の会社には関係が無いわけです。
とにかく社員を派遣先に押し込む事が出来れば会社は安泰でリスクが無いので日本のIT企業は派遣会社ばかりになるというわけなんです。
年齢が増えて売れなくなった社員は使い捨てをしてしまえば、それで会社は回っていくというわけです。だから日本のIT企業は派遣で成り立っている会社が多いというわけなんですね。
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派遣業は競合が激しく将来性も不安
しかし、この特定派遣や偽装請負を生業としている会社には大きな欠点があります。
それは自社の強みを全く持っていないということです。
実際に同じような事をしている会社は星の数ほどありますし、実際に競合会社が増えて単価は昔に比べてダダ下がりになっており多くの派遣会社は苦しんでいます。
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