偽装請負とは何?偽装請負の何が悪いのか?

IT業界に勤めている方の中には「偽装請負」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

しかし、「偽装請負」って実際どのような弊害があるのか?何が労働者に取って不利になってくるのか?といった事まで詳しく把握されている方は少ないと思いますが、偽装請負は極めて労働者側にとって不利な契約になりますので偽装請負の悪影響は把握されておいた方が良いでしょう。

そのため、このページでは偽装請負とは何か?偽装請負の何が悪いのか?を詳しく解説していきます。

偽装請負の前に「雇用契約」と「請負契約」の違いを理解しよう

ではまず偽装請負とは何か?を解説する前にまずは「雇用契約」と「請負契約」の違いを理解された方が「偽装請負」の理解が深まると思いますので、まずは「雇用契約」と「請負契約」の違いについて解説します。

 

雇用契約とは?

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「雇用契約」は馴染みのある雇用の形態になりますので特に説明の必要は無いと思いますが、雇用者の指示に従って労働力を提供する事が「雇用契約」となります。

「雇用契約」の最大のメリットは働いた分はキッチリと給料が支払われる事です。仮に労働者が何らかのミスをしても余程の過失がなければ減給!といった方法を取る事は出来ません。

「雇用契約」の場合は雇用される人間は「労働者」となりますので労働基準法が適用される事になります。

 

請負契約とは?

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では、「請負契約」とはどのような契約か?と言いますと簡単に言えば決められた日までに決められたものを納品する事です。

「請負契約」の最大のメリットは決められた日までに成果物を収める事が出来れば何をしても良い事です。極端な言い方をすると期限が90日後までに成果物を収めなければいけない場合、最初の10日で完成させてしまえば後の80日は遊んでいても良いわけですが、逆を言えば成果物が完成しなければ毎日徹夜をしてでも仕上げなくてはいけませんし、成果物が納品出来ないとなると報酬が支払われない所か損害賠償問題にまで発展する可能性もあります。

「請負契約」の場合は契約者との間は「雇用」の関係ではありませんので労働基準法の適用外になるわけですね。

 

偽装請負とは何か?

では、「雇用契約」と「請負契約」の解説が終わった所で改めて「偽装請負」の話に戻りますが、「偽装請負」とは契約書面の内容が「請負」であるにも関わらず、実態は「雇用」である事を差します。

そのため、実際には以下のような不利な労働環境で働く事になる可能性があります。

 

偽装請負は残業代を支払う必要が無い

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では、「偽装請負」の何が一番の問題か?と言うといくら労働させた所で残業代を支払う必要が無いという事が言えます。

「偽装請負」は契約書面の内容が「請負」であるため、労働基準法が適用されません。成果物を持って初めて報酬が支払われるという契約になりますので1日12時間働いたから4時間分の残業代を貰うといった事が出来ないです。

そのため、「偽装請負」で客先に派遣(常駐)した場合、常駐先の会社にどれだけ無茶なスケジュールで連日終電の深夜作業や休日出勤を強いられたとしても金銭面において常駐先の会社の懐は何も痛みません。

派遣先(常駐先)の会社から派遣元の会社へ働いた分の残業代が支払われる事がありませんので、派遣元の会社からも残業代が支払われずにひたすら長時間サービス残業で働くといった事になりがちになってしまうんですね。

従って、客先常駐でひたすら長時間サービス残業をさせられている方は「偽装請負」で派遣をされている可能性を疑ってみた方が良いかもしれません。

※もちろん「特定派遣」で客先常駐して客先の会社から派遣元の会社に残業代が支払われていたとしても、派遣元の会社が自社の社員に残業代を支払うかどうか?は別問題です。

 

労災保険に加入されていない

そしてもう一つの「偽装請負」の問題は「偽装請負」は契約書面が「請負」のため基本的に労災保険に加入されていません。そのため、仕事中に何らかの事故や怪我に巻き込まれてしまった場合に話がややこしくなります。

何故なら「偽装請負」は契約書面が「請負」であるため労災保険に加入していないからです。

そのため、被害にあった労働者が労災を申請しようとしても派遣元や派遣先の会社に阻止される可能性が高いです。何故なら労災を申請することで「偽装請負」をしている事がバレてしまうからです。

「偽装請負」は違法行為になりますので派遣元、派遣先の両方に懲役や罰則が与えられる事になりますので、必死になって労災隠しをするようになるんですね。

ただし、IT企業に従事する場合はあまり労災が下りない事はあまり気にしなくて良いかもしれません。何故なら、ITの仕事は高所で作業をして落下してしまったり、火傷をしてしまうといった事が起こらないからです。

そのため、どちらかというと最も大きな弊害は先ほど挙げた残業代を支払う必要が無い事が大きいと言えます。サービス残業や休日出勤を繰り返しているIT労働者は実際問題として多いですからね。

 

何故?偽装請負に手を染める経営者が多いのか?

では、何故?「偽装請負」という違法な契約に手を染める契約者が多いのか?というと一番の理由はお金、賃金の面であると言えます。

「偽装請負」という契約を結んで一番得をするのは誰か?それは派遣先の会社です。

「偽装請負」契約を結ぶことで、「派遣」よりも安いコストで「雇用」と同じように労働者をコキ使う事が出来るため派遣先の会社としてはメリットが大きいんですね。しかも、どれだけ残業をさせても賃金を払わなくても良いというオマケ付きです。

それに「偽装請負」であれば雇用契約を結ばなくていいので労災保険などの保険料も派遣先の会社は負担しなくて良いので更に金銭面で得をします。

派遣元の会社としては、出来れば「偽装請負」ではなく派遣した社員が残業すればきっちり残業代を支払って貰う事が出来る「特定派遣」契約の方を結びたがりますが、そもそも人材紹介会社というのは競合が激しいので契約を渋ると契約自体を白紙にされる可能性がありますので派遣元としては、やむを得ず加担するといった構図になっている所が多いようです。

 

まとめ

「偽装請負」という契約には以上のような弊害があります。

「偽装請負」は実際に働いている労働者にとって残業代を支払わずにコキ使う事が出来る等、非常に不利な契約ですし、何より違法行為になりますので知らず知らずの内に加担するといった事が無いように正しい知識を付けておきましょう。

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